西行
西行法師(さいぎょう:1118-1190年)は平安末期の人で流鏑馬の得意な万能な武士であったが、23歳で出家、歌を読み続けた人である。一説には、鳥羽天皇の后、待賢門院と逢瀬をもち、のち失恋、出家したという。豪傑である。保元・平治の乱と源平の騒乱を実際に見ていた人で、後白河上皇平清盛などと知己があり、2度目に平泉に下向した時は鎌倉で頼朝にも会っている。気品がありながら古今和歌から脱する、平俗で自由な歌を詠んだ人で改革者でもあったろう。明治初期の正岡子規、昭和時代末期の阿久悠を感じる歌人である。